台湾先住民アミ族の長老である郭英男(民族名:Difang、中国名:Kuo Yinnan、日本名:かくひでお)
1921年、台湾に生まれる。小さい頃からアミ族の伝統的な歌で才能を発揮する。
1978年、民族研究の目的で台北の大学教授がアミ族の村を訪れる。そこで一番上手かった郭英男さんの歌声を録音する。この時の音源が後に無断使用されてしまう。
1988年、フランス公演を行い聖歌隊をバックに歌う。
1992年、ドイツのエニグマの「リターン・トゥ・イノセンス」という曲の中で郭英男さんの唄う「酒飲む老人の歌」が無断でサンプリング使用される。郭英男さんの名前すらクレジットされなかった。
1996年、「リターン・トゥ・イノセンス」がアトランタ・オリンピックのテーマ曲として使用されて世界的な大ヒットになる。郭英男さん側はエニグマ、EMIIOCを相手に著作権侵害の訴訟を起こす。
199810月、ファースト・アルバム「Circle of Life(ロックレコード:RCCA-2013)を発表。78歳で正式なデビューを飾る。プロデューサーはダン・ラックスマン。台湾で10万枚、日本でも3万枚のヒットを記録。
199812月、「Circle of Life」の日本発売を記念して来日。コンベンションを行い、その歌声を披露する。
19991月、「Circle of Life」がADLIB誌の1998年グローバル・ミュージック部門のベスト・レコードを受賞。
19998月、来日記念アルバム「Amis(ロックレコード:RCCA-2030)を日本のみで発売。
19999月、初めてとなる来日公演を東京渋谷「BUNKAMURA シアターコクーン」にて行う。
19999月、著作権侵害訴訟が和解。これにもとづき、12月にはEMI Capitolより郭英男さんにダブル・プラチナムが授与された。
199912月、セカンド・アルバム「across the yellow earth」リリース。
20006月、2度目の来日公演を東京お台場「トリビュート・トゥ・ラブ・ジェネレーション」にて行う。
20014月、テレビ朝日系「ニュース・ステーション」テーマ曲の「NS2000」を郭英男さんがカヴァーし、コンピレーション・アルバム「イマージュ2(ドゥ)」に収録される。
20023月、台湾台東市にて逝去。享年81歳。
20025月、台湾「金曲賞」にて、台湾行政院から初めての特別賞「国家民族芸師」を授与される。
郭英男さんと彼のコーラス・グループである馬蘭吟唱隊は、台湾だけでなく日本、そして世界の人々にアミ族という素晴らしい声を持った素晴らしい人々がいることを教えてくれました。
わたしたちは、郭英男さんの年齢を超えた感動的な声のパワーを、いつまでも忘れることはないでしょう。