大胆な歌詞を使った中国語のラップアーティストとして知られ、台湾ヒップ・ホップのゴットファーザーとも言われている。"MC Hot Dog"
アイドル嗜好が強い中国の音楽マーケットの中で、
MC Hot Dogは人々の真実の声を生々しく表現した楽曲により大きな評価を得、異彩をはなつ存在である。
2001年、4枚のミニアルバムは台湾で30万枚を売り、中国大陸では、おおよそ600万枚以上の海賊版がコピーされた。
実に
4年以上にもなる沈黙を破り、台湾ヒップホップの新しい一面を切り開く。2年間(2002~2003)の兵役後、 2004年に台湾音楽界の問題児、アーユエ(張震嶽)and Free9 Bandのコンサートツアーに加わり復帰。"Kill Kitty Tour"(主催:House of Blues Entertainment)として全米10都市におよぶツアーも成功させている。その後、Label True Colorに所属し、2006年に最新アルバム『Wake Up』をリリースした。シングル「I Love TW Girls」は台湾のヒットチャート(Hito radio)14週連続1位を獲得する大ヒットとなった。
アーユエとのアメリカツアーなどを経て発表されたこの新作では、アーユエと彼のバンド・
Free9のアモン(阿蒙)のサポートのもと4ヶ月をかけて製作。ロック、ディスコ、ドラムンベースなどの要素も取り入れた多面的なヒップホップを展開している。アメリカツアーの定番だったという「我的生活/俺の生活」で聞かせる激しいラップ、ファンクテイストのラップロック「我行我素/俺のスタイル」などは聴きどころ。また、クラシックディスコ風の「我愛台妹/I Love 台湾 Girl」に代表されるようなこれまでのMC Hotdogとは一味違ったスタイルの曲にも注目したい。
「ラップ」はリスナーが聞いてわからなければ意味がない。文字使いの上手さを追求するものじゃない」という
MC Hotdogだけに、彼自身が見て、感じたことを反映したリリックは相変わらずリアルで秀逸。世相をばっさりと斬る独特の鋭い観察力と本音が詰まっている。