1966年4月26日香港島・北角(North Point)に三人姉弟の長女として生まれる。両親は上海の出身で二胡奏者と歌手という音楽一家に育ち、幼い頃から伝統的な中国歌謡や粤劇(広東オペラ)に親しむ。 1985年に歌手デビュー以来、数々のアルバムをリリースしているが、特に大人の女性たちから熱く支持され、実力も人気もトップクラスで、中華圏を代表する女性歌手。 1987年、目指す音楽性の相違から、3作目の「憶蓮」より自らプロデュースを手がける。続く「灰色」では若手の作曲家やアレンジャーを積極的に起用し、曲風も歌謡ポップス系からアップ・トゥ・デイトなロックスタイルに。相変わらず広東語による洋楽カヴァーが多かったが、次第に自身の個性を全面に打ち出すようになる。 1988年、NHK「歌謡ホール」のゲストや横浜国際音楽祭の香港代表などで来日。アルバムにはコンテンポラリーなポップスからミディアムバラード、ジャズナンバーまで幅広い曲を取り入れるようになり、次第にヴォーカリストとして資質が開花。華納音楽(WEA)へ移籍後、発表された6th album「都市觸覺」が大ヒット。 1989年、精力的に北米公演やアジア各国の音楽祭に参加。リミックスアルバム 「City Rhythm Take Two」が評判を呼び、一躍ダンスミュージックの旗手となる。 1990年、「都市觸覺シリーズ」の3作目にあたる「Faces And Places」を発表。都会のキャリアウーマンの日常や心理を内面深く掘り下げた内容が高い評価を受け、香港女性歌手の中でトップの位置を不動のものにする。また、Dick Leeとの出会いを契機に中国人としてのidentityに目覺め、香港の土壌に根差した音楽活動を展開するようになる。この年、数々の音楽賞を受賞。 1991年、北京語で歌った「愛上一個不回家的人」が台湾でミリオンヒットを記録。香港コロシアムでの初のソロ公演には5万6千人を動員。11月に星音樂(Stardust Records)と契約。全編花をテーマに中国女性の可憐さ、美しさ、神秘さを描き出した「野花」が高い評価を得る。 12月には日本で初のソロコンサートを開催、大盛況を収める。 1992年、「回來愛的身邊」で従来の路線に対してひとまず区切りをつける。滾石唱片(Rock Records)と正式契約し、中国本土や台湾だけでなく北京語を公用語とするマレーシア、シンガポールなどの華人社会へ本格的に進出。またこの年、香港世界宣明会主催の「共創明天」プロジェクトに参加。中国奥地の貧困地区を同行視察したことを契機に、チャリティー活動に積極的に参加するようになる。 1993年初の日本語によるシングル「だからって...」をリリース。 10月には東京でソロコンサートを開催。日本のマーケットへ本格的な進出を果たす。 1994年、日本語による1st album「シンプル」を発表。ドラマの挿入歌やCM曲としてオンエアされ、Sandy Lamの知名度が一躍上がる。また夏にはL.A.で録音した 「Sandy'94」を発表。香港やカナダでのチャリティー公演にアンソニー・ロン(倫永亮)やジャッキー・チョン(張學友)らと共に参加する。 1995年、日本語・英語・広東語による「Open Up」をリリース。香港や台湾でも話題となる。また、滾石唱片(Rock Records)へ移籍後に発売された 「Love, Sandy」が台湾を中心に延べ300万を超す大ヒットを記録。 1996年、台湾のヒットメーカー、ジョナサン・リー(李宗盛)をプロデューサーに迎えた広東語アルバム 「感覺完美」を発表。また初の英語による 「愛是唯一 」、北京語による 「夜太�K」を相次いで発表。香港、台北、シンガポールにおける公演も大盛況。 1997年、1月、英語による2nd album「Wonderful World」を発表。また4~5月には、香港コロシアムで香港初のオリジナルミュージカル「雪狼湖」でヒロインを演じ、高い評価を得る。7月にはライヴアルバム「最愛林憶蓮」を発表。 1998年、2月、バンクーバーの郊外でジョナサン・リー(李宗盛)と挙式・入籍。カナダに移住し生活と音楽活動の拠点とする。その後産休の為しばらく音楽活動を休止。5月に三女(喜兒ちゃん)が誕生。 1999年、1月、2年半ぶりのオリジナル・アルバム「鏗鏘瑰」(北京語)を発表し、さらなる新境地を開拓。家事・育児との両立をはかりながら音楽活動を再開。10月、ヴァージン・ミュージック(香港EMI)系の維京唱片(Saraswati Music)に移籍。「饑饉三十」(5月・香港)、「台湾大地震チャリティ・ライブ」(10月・台北)など慈善イベントにも積極的に参加。 2000年、1月、Virgin移籍後初のアルバム「林憶蓮's」をリリース。11月、マレーシアの「亜州中文金曲奨」で「最佳演繹女歌手奨」を受賞。またアルバム「林憶蓮's」が「最佳歓迎年度專輯奨」を、「至少還有?」が「十五大金曲」に選出される。12月には移籍第2弾となる「2001蓮」をリリース。 2001年、7月、「2001 CCTV-MTV 音楽盛典」で台湾年度最佳女歌手を受賞。9月、「新加坡金曲獎2001」で最佳演繹女歌手を受賞。11月、シンガポールのM&M社とマネージメント契約。12月、北京語アルバム「原來...林憶蓮」 を発表。 2002年、67年ぶりに世界巡回公演(5月香港、7月杭州・上海、8月マレーシア、118月シンガポール)を開催。各地でファンの熱狂的な歓迎を受ける。6月、広東語によるミニアルバム「Encore」をリリ−ス。9月、舞台芸術国際フェスティバル「POPASIA2002」(於：東京国際フォーラム)に参加。9年ぶりの待望の来日コンサートは観衆を大いに魅了し、その存在感を十分にアピールした。 2004年、2年ぶりの来日。2月22日、NHKホール日中友好歌謡祭ゲスト出演。